外壁塗装のベテランが語る!色分け工法をすることのメリットとデメリット
リプルクリエイト代表の川岡です。
唐突ですが時々お客様からこのようなご質問をいただくことがあります。
「御社では色分け工法で塗装していますか?」
色分け工法、、、、?
いきなりこれを読んだあなたは、色分け工法がいったいなんのことか分かりませんよね。
外壁塗装や屋根塗装を行う手順は下塗りと中塗りと上塗りの3つの工程が基本になっておりまして、
この3工程のうち中塗りと上塗りの色を変える塗装方法のことを色分け工法というのですが、
今回はそのような塗りかたをする意味と、色分け工法のメリットとデメリットについてお話しいたします。
ではまず中塗りと上塗りの色を変えることの理由が分からない方のために、その理由から。
まず一つ目の理由。
現在あなたの家を塗り替え工事していると思ってください。
下塗りが終わって中塗りを白で塗っている状態だとします。
そこに赤の上塗りを塗った場合どうなると思いますか?
赤に塗りつぶされていない部分が白く残ってしまうことが想像できると思います。
つまり中塗りと上塗りの色を変えて塗った場合は塗り残しを容易に発見できるというメリットがあるのです。
もう一つは中塗りと上塗りの色が違うために悪質な職人が2回塗りを1回塗りで済ませてしまうといった手抜き工事ができなくなるというメリットがあります。
心配性な方からすると塗り残しがなくなって手抜きもできなくなる色分け工法が最適な塗装方法に感じますよね。
しかし、色分け工法は本来の塗装方法と異なるため多くのデメリットがあるのです。
色分け工法をすることのデメリットはなにか。
まず、塗料メーカーのカタログをご覧いただくとわかるのですが中塗りと上塗りの色を変える前提にした塗料が作られておらず、同じ色を2回塗るようになっております。
概念として同じ色を2回塗ることによって深みが増して厚い塗膜が完成されるものなのですが、中塗りと上塗りの色を分けるということは上塗りを1回で済ませているのと同じことになるのです。
深みも厚みもなくなるため中塗りの色が透けてしまうことがあります。
そして経年で上塗りの色が落ちてきたときに中塗りの色が露出して壁全体に色ムラが出てくる恐れがあるのです。
さらには費用面においても塗装の面積次第で塗料のロスが発生するため塗料代金の追加も発生するケースがあります。
。
このようにお客様にとってみると実はデメリットのほうが多くなってしまうのです。
でも心配性な方は色分け工法を希望したくなりますよね。
たとえば、こんな風に。
「色分け工法にデメリットが多いのはわかったけど同じ色を2回塗ったら塗り残しに気付けないじゃゃん」
ごもっともです。
なので、次はその疑問についてお話しいたしますね。
まず塗り残しの心配の面ですが、塗料の特性のひとつに「色がノボル」という現象があります。
これは塗ったばかりの塗料が乾いていく過程で色が濃くなっていく現象のことを言うのですが、専門的過ぎて意味が分からないと思いますのでもっと分かりやすく話します。
赤色の塗料の作る場合は、半透明な接着剤の中に赤色の粉を入れて作るものだと思ってください。
半透明な接着剤の中に赤色が混ざってるわけですから塗ったばかりのときはぼんやりした赤色になることは想像できますよね?
しかし接着剤が乾いてくるにしたがって半透明だった色がハッキリした赤色に変化してくるのです。
この色が変化する現象を「色がノボル」というのです。
理解いただけたでしょうか?
つまりノボリがあるから同じ色を二回塗っても色が違って見えるためプロであれば塗り残すことが無くなるから色分け工法は必要ないということになるわけです。
しかし!
この理論が通じるのは優秀な職人が塗った場合の例です。
そもそも論として手抜き職人が塗装をした場合はどんな対策をしても手抜きをしますから。
なのでどうしても手抜きが不安だと思われる方はデメリットを踏まえたうえで色分け工法を業者に依頼するしかないかもしれません。
いちばん良いのは信頼できそうな職人が作業してくれる塗装業者に出会うことなんですけど、それが難しいから皆さん悩まれてるんですよね。
もちろんリプルクリエイトはこういう記事を書くらいなので大丈夫です。
というわけで今回は色替え工法をすることによるメリットとデメリットについてのお話しでした。
それではまた。